年金を担保に!年金暮らしでもお金を借りる方法とそのときの注意点
意外と知られていない年金担保融資
お金を借りる方法には様々なものがあります。公的機関からの融資や銀行からの借り入れ、消費者金融からの借り入れや各種ローンなどを含めると現金を調達する以外の方法も含めその内容は多岐に渡ります。その資金の使途によって金額も変わってきますがその中に年金を担保にお金を借りることのできる「年金担保融資制度」があるのをご存知でしょうか。
この融資制度は独立行政法人の一つが提供している制度で制限はあるものの国民年金や厚生年金を受給している方であればほとんどの人が利用出来る制度です。以前はその支払いによって受給する年金の全額が差し押さえられることもあり高齢者の破綻の原因になることもありましたが現在では支払いの金額に制限も設けられ以前よりも利用しやすい制度になっています。
唯一の取り扱い
本来であれば担保にしたり譲渡したりすることが法律で禁止されているのが年金です。当然、この独立行政法人以外のところで年金を担保に借り入れを行うことは法的に違法な取引と言うことになります。そのことから考えると利率1.6%と低い金利で借り入れの出来るこのシステムは老後に発生する急な出費に即座に対応することの出来る有効な資金調達手段と言えるでしょう。
借り入れの上限金額
借り入れの上限金額はいくつかの基準で判断されます。まず一つ目の基準として上限は250万円。そして二つ目に年間の年金受給金額の範囲内と決められています。年間の受給金額が100万円であれば融資を受けれる金額も100万円まで、150万円であれば150万円まで借り入れを行うことが出来ます。
更に一つ目の「上限」は資金の使途によって制限もあります。医療費や介護費、住宅の改修、教育や冠婚葬祭、そして事業の維持や既に借り入れている資金の一括返済などに充てられるのであれば、年間の受給金額の範囲内で上限の250万円までの借り入れが可能ですが、これに当たらない場合には上限が100万円となります。
このほかにも返済の金額による上限の設定も設けられており、毎月の返済額の15倍を超える金額は借り入れることが出来ません。そして返済の金額は受け取る金額の半額まで。つまり年間の年金受給額を12ヶ月で割った1か月分が返済の上限になります。しかしこの上限はほとんどの場合年間の受取額の範囲内であればクリアされますのであまり意識する必要はないかもしれません。
支払いの方法にも特徴がある
注意しなければならないのは給与の差し押さえなどと同様に一旦自分の手元に入ったお金を返済に充てるという方法ではないということです。今月は大きな出費があったので返済を少なくしようと言ったようなクレジットカードやカードローンなどのような返済方法は取ることができません。
年金が入金されることはなく全額がこの独立行政法人に渡り、返済に充てられる金額を除いた残額が指定の口座に振り込まれると言う返済方法です。もしも年金から各種保険料などの引き落としを行っているようであれば、借入金の支払いに充てられた残額から自分で保険料を支払う手間が生じてきます。
金利は抜群に低い
様々な制約はあるものの年金受給者にとっては低い金利でお金を借りることのできる数少ない方法の一つです。仮に借り入れることが出来たとしても18%近い金利が加算されるような借り入れを利用するよりも、このシステムを利用するほうが賢明だと言えるのかもしれません。